学費の現実
子供を育てるにはお金がかかります。
”お金がかかる”
という言い方は適切ではないかもしれません。
統計によると幼稚園から高校まで全て公立の場合には約540万円、全て私立の場合には約1,760万円が平均して必要です。
高校卒業者の大学進学率は50%を超えていますので、単純計算で2人に1人は大学へ進学している計算になります。
もちろん地域や環境によって大学進学率が100%の学校、
大半の生徒が専門学校へ進学する学校、
高校卒業後は地元企業に就職する生徒の多い学校などたくさんあります。
大学へ進学すると、入学~卒業までの平均的な大学学費は公立大学で約250万円、
私立大学で約450万円となっています。
上記の幼稚園から高校までの学費と大学学費を組み合わせると以下4つの区分となります。
実際には幼稚園は私立、小学校は公立、中学校は私立・・・というように複雑な組み合わせも多いかと思いますが参考までに今回は以下4つの組み合わせでお考え下さい。
幼稚園から大学まで全て公立:約790万円
幼稚園〜高校は公立、大学は私立:990万円
幼稚園〜高校は私立、大学は公立:2,010万円
幼稚園〜大学まで全て私立:2,210万円
上記数値は幼稚園~大学までのごく一般的な学費にすぎません。
そして、この数値をあてにしてはいけません。なぜなら、この数値より上振れすることがほとんどだからです。
その要因は各家庭で違います。もっと言うと、住んでいる地域、進学先、経済力などで変わってきます。
たとえば、地方から都内へ上京してくる人は学費に加えて下宿代や仕送りが必要になり、単純に月々10〜20万円の負担になりますよね。
単純に都内に住んでいる人と比べると進学の負担は大きいです。(都内よりも地方のほうが普段の生活費は安く済むから、プラマイゼロという意見もありますが)
やっかいなのは学費が毎年変わる点です。
学費は年々高くなっていってます。
不思議じゃないですか?
子供の数は年々減っていっているのに大学はここ数年増えていることに。
経済は需要と供給のバランスで成り立っていますが、需要(子供の数)が減っているのに供給(大学数)は増えています。
通常、供給過多の場合はモノやサービスの値段は下がります。
つまり学費は下がるのが普通です。
それなのに、学費は上がっている矛盾。
私立高校の実質的な無償化など今後取り組まれるであろう期待できる政策はいくつかあります。
また、日本政府としては社会保障や税の改革など、やらなくてはならない政策が多々あると思いますが、この学費の矛盾にもテコ入れをして欲しいと願うばかりです。
kobanomics